(福) 函館厚生院 函館中央病院 様
FAX受信から予約書返信までが最短5分程度で可能に!迅速な地域連携を実現するとともに、自由度の高い統計・集計機能で、データドリブンな病院経営を実現。
導入システム
インタビュー 地域医療連携室 係長 鍵谷孝史氏
①地域医療連携活動への取り組み
◆貴院の概況を教えてください
地域の急性期医療機関であり、道南圏唯一の総合周産期母子医療センターとして小児・周産期医療や救急医療、北海道がん診療連携指定病院としてがん医療にも力を入れています。
診療科は26科で、一般病床527床になります。また、整形外科の脊椎脊髄領域では、道内で最大規模の脊椎センターがあり、ほぼ全ての脊椎疾患への対応が可能となっています。
現在、少子高齢化や人口減少が著しく進む函館市および近郊の市町村においては、地域との連携がより重要と考えています。地域医療連携室は開業医の先生方や医療機関、介護施設などとの連携において、最初の入り口となる顔として日々業務にあたっています。
主な内容は
・紹介患者の受診や入院予約調整
・診療情報提供書や返書などの文書管理
・紹介率、逆紹介率などの統計・集計
・数値に基づいた患者動向の把握や訪問活動など
・病院の取り組みをPRする広報誌の発行や、診療体制などの周知活動
・逆紹介時のかかりつけ医への相談窓口や受診調整
といった内容です。
◆貴院の地域連携に関する歴史をお聞かせください。
当院の地域医療連携室は、道南圏における「地域包括ケアシステム」という患者を支える大きな仕組みの中で、地域の医療機関の先生方と連携し、地域住民に安心安全な医療・介護を適切に提供する為の窓口として2002年に発足しました。
2009年にfirstpassを導入し、翌2010年には電子カルテ化を進め、院内文書の原本一元管理化を行いました。
そして2016年には診療情報提供書の電子認証及びデータ管理の為、電子カルテへのスキャンも始めました。
発足から現在にかけて地域の先生方からご理解と信頼をいただき、現在、紹介患者の8割以上は連携室経由での受診となっています。
また、さらなる地域の医療機関や介護施設等と当院との連携を強化し、多職種で協働し効果的かつ効率的に総合的な生活の支援を行う事を目的として2013年に「総合医療支援センター」を立ち上げました。
総合医療支援センターは、「入・退院支援」「訪問看護」「こども子育て支援室」「医療福祉相談室」「地域医療連携室」のセクションにより構成されており、患者様やご家族に対し、入院前から退院後の生活を見据えて、多職種(認定看護師・看護師・医療福祉連携士・社会福祉士・公認心理師・事務等)約30人のスタッフが組織の一員として「協働」しています。
firstpassには退院支援業務の機能もあり、前方連携システムのみならず、総合医療支援センター全セクションで使用しており、センター内での協働・情報共有ツールとしても幅広く活用しています。
②firstpass導入によって実現した成果
1.FAX受信から予約書返信までが最短5分程度で可能に!
firstpass導入前は、
〇受診予約書をExcelで作成→プリントアウト→FAX機へセット→紹介先へ返信
〇自院、他院が作成した診療情報提供書などを紙媒体で管理
〇Excel・Accessによるデータベース管理
といったアナログ対応や、分散情報管理で日々の業務を行っていました。
従って、入力ミスやFAX誤送信といったリスクに対応する必要がありましたので、二重チェックや複数人チェックなど、日々の業務運営は非常に負担のかかるチェック体制でした。
しかしfirstpass導入後は、医療機関から紹介いただいた情報を包括的に管理し、一連の業務フローで対応ができる為、よりスムーズな調整ができるようになりました。
医療機関名や医師情報などもマスタ管理され選択式の入力支援機能もあり、より確実かつ効率的に返信する事が可能になり、患者様に対するサービスの質も格段に向上しました。
当院は、患者様への予約書返信までの標準時間を15分としています。
地域連携室開設当初(firstpass導入前)は、実際に15分ほどかかっていましたが、firstpass導入後の現在は、FAXの受信から予約書の返信までを実質5分程度で行えるようになりました。
紹介先では患者様が予約書の返信をお待ちいただいている事が多いため、迅速な予約書返信が可能となったことで、当院の評価や信頼度の向上に繋がっています。
2.情報連携&一元管理化で、院内外への問い合わせ対応が迅速かつ確実に
診療情報提供書の電子カルテスキャンから、受診後の第一報、治療経過等の返事、治療後の加療依頼の逆紹介など、紹介受診から返事、逆紹介などの情報をタイムリーにシステム管理できます。
一連の紹介・逆紹介情報を一画面で確認できるため、院内や院外からの問い合わせに対してもレスポンスよく回答することができ、業務効率化と信頼度の向上に繋がっています。
また、当院独自のカスタマイズとして、救急搬送の搬送確認書も管理しています。それらを紙媒体で管理していた頃は、紛失や取り違えリスクへの対応、その他問い合わせの対応など、情報を探す手間や時間が大きな負担となっていましたが、この課題も大幅に改善しました。
3.自由度の高い統計・集計機能で、データドリブンな病院経営を実現
統計集計機能はとても強力です。蓄積された日々のデータを簡単に集計できます。
科別、医療機関別、地域別、年齢別など病院経営に必要な指標や情報をスピーディーに提示してくれます。
また、紹介件数の増減推移、紹介数や紹介科の特徴や親密度を分析しピンポイントに情報発信したり、当院での講演会やディスカッション企画への案内をお知らせするなど、データドリブンなマーケティング施策の実施が可能となり、当院の病院経営においてとても役立っています。
その他、返書状況をチェックし、院内のドクターに返書状況をリマインドし、患者様や連携先への連絡の抜け・漏れを防ぐことにも役立っています。
③地域医療連携分野における今後の構想
◆ICT連携の強化
地域医療連携分野に関する今後の構想としては「ICT連携の強化」というテーマの下、以下の課題に取り組んでいく予定です。
1. 大学病院との高度な医療連携の推進
コンサルテーションや手術支援においての情報共有など
2. 道南圏での医療・在宅介護における患者情報の共有の推進
訪問看護や訪問診療においての情報共有ツールの活用
3. 遠隔地などとのオンラインによる病診連携の推進
災害時や感染症などによる、診療支援ツールの環境整備
紹介や新入院患者獲得を目指し、疾病群での評価も加えたマーケティング意識の強化
4. 当院の特色や強みと、地域や開業医の先生方のニーズを捉え、効果的な営業戦略を展開
④当社への要望
今後も当院は、災害時、感染症の影響、医療情勢の変動、働き方改革に関連する国の方針など、起こる変化に合わせ柔軟かつ迅速に対応していかなければなりません。
ファーストブレスさんへの要望としては
・私たちの日常や視点では気づかない他医療機関様での成功事例やノウハウについての情報提供
・全国の医療機関での導入実績によって得られたノウハウを活かしたシステムのアップグレード
・当院の業務効率化に繋がるご提案や指導
思いつくものとしてはこのような内容でしょうか。
2009年から長い間サポートをいただいており、いつも無理な要望にも迅速に対応いただき大変感謝しています。
今後もファーストブレスさんとの「協働」を通じ、道南圏の地域医療推進に貢献して行きたいと思います。
地域医療連携室 室長 亀谷博志氏(左) 地域医療連携室 係長 鍵谷孝史氏(右)
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