地域連携システム
firstpass
導入事例紹介
すべての連携実務者へ、
最高の支援ツールを。
4つのシステム群
機能比較
豊富なデータ連携実績
Q&A
firstpass
開発ストーリー
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しかし、代表の小野寺と創業メンバーの吉仲はひとつの信念で結ばれていた。
「信じた道を突き進む」
諦めなかった。もう一度、営業活動の課題と顧客が抱えている課題を整理し、システムの機能改善はもちろん、firstpass®の価値と魅力を伝える方法など、それまでの失敗を糧にすべての活動を見直した。
新しいシステムの価値を、必要とされそうな部門とキーマンに実直に伝えること。そして、採用いただいた顧客には、細やかな導入・運用支援を行い、システム導入効果を実感いただけるように体制も整備したことで、firstpass®の導入件数は少しづつ増えていった。
開発当初は患者の紹介・逆紹介といった「病診連携」業務が地域連携の主な内容であったが、治療費用などの経済的問題、療養など退院後の生活に関する不安や困難な事情といった、患者の抱える心理的・社会的問題が、地域連携を取り巻く課題として注目され始めた。
firstpass®もそんなニーズの変化に追随するべく、2009年には、医療相談システムをシステムラインナップに追加するなどし、システムの拡張・進化を進めた。
訪れた転機
常務取締役の吉仲は、元エンジニアの知見を活かし、全国の医療機関にfirstpass®の価値を伝える役割を担当していた。活動範囲は広く、日々全国各地の顧客と商談を重ねていた。
地域連携が活性化するにつれ、かつては静観していた中堅・大規模病院も、地域連携は病院経営の重要テーマとして位置付けるようになり、吉仲が訪れる医療機関は多様化すると共に、訪問する量も次第に増えていった。

吉仲は、製品のデモンストレーション等の提案活動の傍ら、先進的な地域連携活動に取り組んでいる医療機関と密接な連携を図り、共同研究に取り組むなど、医療機関の抱える課題やニーズの情報収集も行っていた。
「すべての連携実務者へ、最高の支援ツールを。」
このfirstpass®のサービスミッションを実現するべく、日々奔走した。
そんな、ある日。
全国の医療機関を訪問するうちに、各地域の先進事例を多数知ることとなり、それは病院の抱える運用課題や経営課題に精通することとなり、いつの間にか地域連携に関する情報が集まるようになっていた。おぼろげならも、地域連携のあるべき姿について発信・提案することが増えていたのだ。
「これまでは、医療機関のニーズに応えるようにシステム開発を行って来たが、これからは地域連携のあるべき姿を、医療機関に先んじて、提案・具現化するのが次の我々の役割ではないか?」
数々の医療機関からいただいた情報は、「洗練されたシステムサービス」という形で表し、より便利で効率的な地域連携実務を実現し、全国の医療機関に貢献したい。
そんな思いが吉仲の胸の裡に沸き起こった。

フルモデルチェンジプロジェクト
次回バージョンアップでは、システムコンセプトを刷新して、フルモデルチェンジするべきではないか?」
落ち着いてはいるが力強い声で、吉仲が代表の小野寺に、こう語ったのは2013年秋のこと。
吉仲の瞳の奥に、確信に満ちた情熱を感じ取った代表の小野寺は
「よし、やろう」
一言そのように伝え、新しいプロジェクトは始まった。
すぐさま吉仲を中心に、フルモデルチェンジプロジェクトは動き出した。
まず取り組んだのは、吉仲が温めていた次期バージョンのシステムコンセプトの刷新。
「戦略的な地域連携推進活動をトータルサポート」
をスローガンに、地域連携室の実務者視点で、以下のシステムコンセプトにまとめ上げた。
- 患者を取り巻く包括的な環境管理
- 地域連携室で保有している情報を他部門に有効活用
- 経営・企画部門等へ、経営戦略に繋がる有効な情報を提供
- 適切な連携先の決定を様々な情報により的確に支援
- 数量評価中心から疾病及び地域を中心とした連携実態を把握
- 地域連携室の多様化する業務をサポート
画期的だったのは、病院経営に貢献する情報を提供することや、質的側面で連携実態を把握、というコンセプトが盛り込まれていることだった。
吉仲が全国の医療機関から伺った情報や課題に基づいてまとめられたこれらのコンセプトは、その後、多くの医療機関からも高い注目を集めた。
"医療"という社会的機能を健全に果たすためには、病院経営も健全でなければならない。
そのためには、連携先の診療所・クリニックとの円滑な連携が行われ、相互に高い信頼関係を築くことが必要だ。
一般企業でいう所のCRM(顧客関係マネジメント)活動を行うことである。その活動を行うには、連携先との連携実績を多面的に振り返る情報提供機能が求められる。
また、データ分析となるととかく、量的なものが想起されるが、質的な情報も同じくらい重要だ。
医療は各専門分野に細かく専門化されている世界であり、特定の疾病に関する検査実績や治療実績の有無や多寡、対応範囲といった情報があれば、新しい側面に気付き、より密な連携に繋がるケースも多数ある。
このようにして、フルモデルチェンジプロジェクトでは、まずシステムコンセプトを刷新し、それに基づいた機能の設計・開発、ユーザビリティ改善が進められていった。
開発は、当時広く普及しつつあったアジャイル開発を取り入れ、少数精鋭のコンパクトなチーム編成で取り組んだ。
少数精鋭故に開発メンバーへの負荷はあったが、密なコミュニケーションが生まれ、常務取締役の吉仲も含め、自信を持ってアピールできるサービスの実現に繋がった。
そして、2014年6月にfirstpass®ver3はリリースされ、全国の医療機関からも高い支持を獲得した、現在(2021年9月)までに全国165以上の医療機関に採用されている。2021年秋にはver4をリリース。今後も、変化する医療環境をキャッチアップし、よりよい地域連携を実現する活動は続いていく。